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発掘!あるある大事典

納豆ダイエット捏造事件

  • このコメントが最も印象に残りました。まっとうな意見のように思います。
    「科学の名を借りながら、学術的に求められる厳格さは『テレビ番組なので』というエクスキューズで逃れている。これがこの番組の根本的な問題です。そもそも『食べたら痩せる』などという食物があれば、それは基本的に『毒』だと考えるべき。」(中原英臣教授/山野美容芸術短大)(週刊文春2月1日号P32)

経緯

  • 1996年10月から「発掘!あるある大事典」として放送開始。2004年4月からは「発掘!あるある大事典2」として模様替え。
  • 2007年1月7日 納豆にダイエット効果があるとする内容を放送。
  • 市中のスーパーマーケットの店頭で納豆が品薄になるほどの売れ行きとなる。
  • 2007年1月12日 一部報道機関から取材があった事をきっかけに社内調査をした結果、不正が発覚した。
  • 2007年1月20日に関西テレビが捏造があった事を発表。
  • 2007年1月22日 単独スポンサーだった花王がスポンサーを降りること発表。
    • 花王は「広告主として日ごろから信頼性のある番組であることを要望しており、今回のことは極めて遺憾。その後の後継番組に関しては何とも申し上げられません」とコメント。
    • 「あるある~」が放送されていた日曜午後21時からの時間帯は1979年10月にスタートした「花王名人劇場」以来、花王の1社提供枠だった。
  • 2007年1月22日 関西テレビは大阪市北区の本社で危機管理委員会(委員長=澤田直彦取締役)を開き、捏造問題についての対策本部を設置することを決定。対策本部内には社員による調査班を設ける。今後発足予定の調査委員会は大学教授など社外の有識者だけで構成することを決定。
  • 2007年1月23日午後 制作会社の関西テレビ(大阪市北区)は番組の打ち切りと処分を正式に発表。
    • 「事態を重く受け止め、打ち切りを決めた。視聴者、関係者のみなさまの信頼を裏切り、深く反省し、おわびいたします」とのコメントを発表
  • 2007年1月23日 番組を関西テレビと共同制作した日本テレワークの古矢直義社長が辞意を表明したと毎日新聞が報道。
  • 2007年1月23日 番組のホームページから、過去の放送の内容なども削除される。
  • 2007年2月5日 関西テレビが「あるある大事典」の時間帯のFNS全国放送枠をフジテレビへ返上することを発表。

捏造の実態

  • 「中性脂肪値が正常値になった」などと放送した被験者の数値測定は実際にはしていない。
  • 朝に納豆を2パックまとめて食べた場合と、朝晩に分けて食べた場合の血液比較検査結果は架空だった。
  • 米国の大学教授の発言の一部を実際の発言とは異なるテロップで放送。
    • 米テンプル大のアーサー・ショーツ教授のインタビュー映像に対し「日本の方々にも身近な食材で、(ダイエット効果のある)DHEAを増やすことが可能」という別の研究者の研究内容である日本語訳コメントを付けた。
  • 被験者がやせたことを示す証拠として別人の写真を使用。
    • 米国の実験で被験者がやせたことを示す比較写真は無関係の写真だった。

原因

  •  関西テレビは「納豆にダイエット効果があるという学説があるのは事実で、実験で体重が減ったのは間違いない。なぜ事実と異なる放送をしたかは現在調査中」としている。

背景

  • 番組は関西テレビと大手制作会社「日本テレワーク」の共同制作。テレワーク社が複数の制作会社に発注し、9チームに分かれて取材や編集をしていた。
  • 関西テレビは「会いたい教授に会えないなど米国での取材が難航し、制作者サイドに余裕がなくなったのが一因」と説明。どのチームが不正をしたか今後調べる。

対応

  • 1月21日及び28日の21:00からの放送分は後ろの番組の「スタメン」を1時間前倒しして放送する。
  • 「あるある」の有料携帯サイトのサービスを1月末で終了し、1月度の会費は返金する。

処分内容

関西テレビ

  • 千草宗一郎社長の役員報酬30%カット3カ月間
  • コンプライアンス(法令順守)担当の山本紘専務(社長補佐)の同10%カット3カ月間
  • その他計10人の処分を発表
  • 志村義奉常務(営業局・東京支社担当)を役員報酬10%カット3カ月間
  • 処林可典常務(編成局・制作局担当)を取締役に降格
  • 制作局長ら3人を解職
  • 編成局長ら3人をけん責処分

日本テレワーク

  • 古矢直義社長と制作部門を統括していた古賀憲一専務が引責辞任。両者とも代表権のない取締役に降格。後任の社長には末冨明子代表取締役が昇格。

レタス快眠捏造疑惑

概略

  • 2007年1月27日長村洋一千葉科学大学教授(健康食品学)が毎日新聞社の取材に応えて、1998年10月25日放送の「あるある大事典~テーマ:快眠~」でレタスの催眠作用についての放映内容に捏造が含まれている趣旨の証言をしたとの事。
  • 「マウス実験では眠らなかったのに、あたかも眠っているように映像を編集されたうえ、効果があるという別の大学教授のコメントと一緒に流された」とのこと。

捏造が疑われる点

長村教授による証言

  • 同番組の制作担当者から「レタスを食べるとよく眠れるという実験をしてほしい」と依頼を受ける。
  • マウス約20匹を使ってジュース状にしたレタスを一つのグループに与え、他方のグループに同量の水を与えて変化を観察。実験の結果、マウスには変化が起きず、水を飲ませたマウスとの違いもなかった。
  • 実験に立ち会って撮影していた番組制作者は「眠りませんでしたね」と言い、帰った。
  • 放送では、長村教授が実験した模様のうち一時的にかごの隅でおとなしくしているマウスの姿を放映し、テロップで「眠ってしまった!」と説明。
  • 実験には一切関わっていない田島眞教授(実践女子大:食品学)の「レタスに含まれる特定の成分には即効性がある」とのコメントをあたかも実験の結果得られた結論であるかのように放送した。

各氏の発言など

  • なお、レタスの成分の中には微量の催眠成分が存在する。
  • コメントをした実践女子大の田島眞教授(食品学)は「レタスの成分の一般論として話した。放送を見るまでマウスで実験していたとは知らず、マウスで効果があったんだと思った。コメントをうまくつなぎ合わせるのは、『納豆』の構図と似ている」と話している。
  • 長村教授は「番組を見て、あきれてしまい、当時は抗議する気にもなれなかった。せめて学会ででも指摘しておけば、こんなでたらめは続いていなかったかもしれない。社会に真実を伝えるべき研究者として反省している」と話している。
  • 関西テレビ広報部は「調査に入っているので、この段階では答えられない。1月7日放送分だけでなく、過去のものに関しても調査するという方針です」とコメント。

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