Integral

インフルエンザ

鳥インフルエンザ

avian flue(influenza)/bird flue(influenza)

強毒型と弱毒型

  • 昔は鳥インフルエンザは人には感染しないものと思われていた。
  • 1997年以前には人に感染しない弱毒型しか検出されなかったが、1997年に香港で鳥インフルエンザ感染者が死亡して以降、強毒型も見られるようになった。
  • 強毒型鳥インフルエンザは、高病原性鳥インフルエンザとも呼ばれる。
  • 弱毒型
    • 鳥の場合、感染してもほとんど症状が出ない。
    • 人の場合、気道の粘膜細胞など一部の細胞でしか増殖しないため、気管に炎症が発生する程度。
  • 強毒型
    • 強毒型は、全身の細胞で増殖する能力を持つ。
    • 様々な臓器で炎症が発生し、多臓器不全を起こす。
    • 血流にウイルスが入り全身に回るウイルス血症という症状が発生する。
    • 特に重症の肺炎を起こす。(このため治療には人工呼吸器が欠かせない)
    • H5N1ウイルスは、更にサイトカインストームという症状(免疫が暴走し自分の体を攻撃する症状)を起こす。免疫反応は若い人のほうが活発なため、サイトカインストームは若者に強く現れ重篤な症状を呈す。
    • 強毒型鳥インフルエンザの致死率は約63%(患者はそれぞれの国で最高水準の医療を受けている状態での致死率。人工呼吸器・タミフルの大量投与を受けての数字。)

H51Nの亜種

  • H5N1ウイルスは現在までに10系統の少しずつ異なる亜種に分化している。ウイルスの亜種のことを“クレード”と言うが、「クレード2-2」という亜種が現在最も感染が拡大している。
  • これらのどの亜種も「ウルトラ病原性」と言い得る程強い毒性を持ち、過去知られた野鳥のウイルスの中で最も強い毒性を示している。
  • まだ、人から人には感染しない。

1997年香港

  • 18人が鳥インフルエンザに感染し、うち6人が死亡した。
  • 香港の当時の防疫担当者だったマーガレット・チャン現世界保健機構(WHO)事務局長が、香港で飼育されていた鶏130万匹を殺処分するという大英断を下し、感染拡大を食い止めたとされる。
  • このときのウィルスは「H5N1型ウイルス(クレード3)」だった。

奇妙な性質

インフルエンザウイルスは、ある時新型ウイルスが出て爆発的流行(パンデミック)を起こすと、それ以前に流行していたウイルスが消えていってしまうという奇妙な性質を持つという。 次にパンデミックを起こすウイルス候補は、強毒型のH5N1ウイルスと、弱毒型のH9N2ウイルス。よって、H9N2が流行すればH5N1を駆逐してくれるのではないかとの期待がある。

  • 1918年のスペインインフルエンザはH1N1型。H1N1ウイルスはその後度々小流行したが、1957年にH2N2 のアジアインフルエンザが出現すると、H1N1のウイルスはどこかに消えた。
  • 1968年にH3N2の香港インフルエンザが出現すると、 H2N2のウイルスが消えた。
  • 1977年にH1N1のソ連インフルエンザが出現したが、このときはH3N2のウイルスは消えなかった。ただし、このソ連インフルエンザのウイルスは、様々な証拠からどこかの研究機関で保管されていたウイルスが漏れ出したと考えられている。
  • 現在はH3N2と H1N1のウイルスが共存中。

動向

  • 1918年 スペインインフルエンザが流行(H1N1型)
  • 2003年春に日本と韓国で、中国から輸入した冷凍鴨肉からウイルスが検出される。中国当局は「そんな事実は確認されていない」と否定。
  • 2003年後半から、H5N1(クレード1)がインドシナ半島で流行する。
  • 2004年に、山口県と京都府で、鶏舎の鶏が大量死したことでウイルスの侵入が確認される。同時期に韓国でも鶏の大量死が発生。これらのウイルスは2003年に中国産鴨肉から検出されたものと同じ。
  • 2005年、H5N1(クレード2-2)が中国・青海省で野鳥の大量死を起こす。この後更に、欧州やアフリカにまで広がる。
  • 2006年に、中国・安徽省で新しい亜種である「クレード2-3」が確認される。このウィルスは香港や北部ベトナム、ミャンマーなどに広がっている。

参考資料