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log:2014:08:20140818sankei [2014/08/24 07:20] – 作成 管理人log:2014:08:20140818sankei [2014/08/24 07:22] 管理人
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 +===== 吉田調書 世界の原発安全性の糧に 極限状況下の事故対応を学べ =====
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 +  * 2014/08/18 「【主張】吉田調書 世界の原発安全性の糧に 極限状況下の事故対応を学べ+(1/4ページ) - MSN産経ニュース」 ([[http://sankei.jp.msn.com/life/news/140818/trd14081803080002-n1.htm|Link]])
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 +吉田調書 世界の原発安全性の糧に 極限状況下の事故対応を学べ  2014.8.18 03:08 (1/4ページ)[主張]    産経新聞は「吉田調書」を入手した。調書の作成者は、政府の事故調査・検証委員会である。 マグニチュード9・0の巨大地震に伴う大津波で被災し、複数の炉心溶融へと発展した東京電力福島第1原子力発電所の事故現場での対応活動などの詳細が、調査・検証委の質問に対する吉田昌郎所長(当時)の回答として記録されている。 東大名誉教授の畑村洋太郎氏を委員長とする調査・検証委は、吉田氏をはじめ、約800人の関係者からの聴取内容を基に、原発過酷事故再発防止の教訓を抽出することを主眼とした「最終報告」を平成24年7月にまとめている。 《規制委は教訓を生かせ》 最終報告に占める吉田調書の比重は、質と量において大である。なおかつ一問一答の形でつづられた大部の調書は、事故当時の自身の感情までを赤裸々に語る吉田氏の肉声で満ちている。 日本国内に限らず、世界の原発の過酷事故を未然に防ぐための教訓の原典として、吉田調書を位置づけたい。
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 + 調書から浮かび上がる問題点は、発電所の現場と東京の東電本社との間で、事故に対する認識の差が極めて大きいことだ。
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 + 電源を喪失し、爆発が重なった発電所では、計器類をはじめとして、多くの装置が機能を失っている。そうした個々の異常事態が相互に絡み合った現場での活動の難しさは、本社首脳陣の想像力を絶する域に達していた。
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 + 発電所構内にいても、混乱を極める過酷事故の現場では状況がつかめないし、本社の首脳が考えるようには動けない。発電所内の通信設備の徹底強化の必要性が改めて痛感される。
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 + 現場と首相官邸との意思の疎通はさらに難しかったことも読み取れる。東京から繰り返された高圧的な指示は、現場介入以外の何ものでもなかった。為政者が肝に銘じるべき教訓である。
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 + こうした事故時の課題や問題点は、調査・検証委の最終報告においても既に指摘されているが、吉田氏の証言には、未曽有の修羅場をくぐった現場責任者ならではの迫力と重みがある。
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 +吉田氏は病で25年7月に他界したが、健在なら「原子力ムラ」の出身などという排除の論理を超えて、原子力規制委員の職に就いてもらいたかった人である。
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 + 吉田調書などを踏まえた調査・検証委による最終報告には、規制当局に対する次のような注文も含まれている。
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 + 「技術的に枝葉末節のチェックに追われ、安全のための大局を見る余裕のない業務の在り方になっていないか」
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 + 吉田調書は朝日新聞も入手しており、5月20日付の朝刊に「所長命令に違反 原発撤退」という記事が掲載された。
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 + 《命かけた人への冒涜だ》
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 + 福島第1原発で2号機の格納容器破損が疑われる異変が起きた23年3月15日の午前中に、多くの所員が吉田氏の「待機命令」に背いて福島第2原発に撤退していたことが、吉田調書で明らかになったとする内容だ。
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 + だが、調書を精読すると、吉田氏が出しているのは終始、事故対応に必要な人員以外に対する「退避」の指示だ。福島第2が有力な避難先になっていたことも疑いようがない。
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 +「退避」と「待機」では、意味が逆だ。無用な被曝(ひばく)を避けるための退避をどうして「現場離脱」と断じたのか。「暴れている」原発の冷温停止に命をかけた人々に対する冒涜(ぼうとく)であろう。
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 + 4基の原発が大破して放射線量が上昇し、余震が繰り返される極限状況下で、原発技術者は被害拡大を防ぐために死を覚悟して過酷事故に立ち向かった。
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 + 吉田調書からは、人の動きを含めた福島事故の実像が見えてくる。史上最大級の原子力事故の体験を負の遺産としてはならない。失敗を乗り越え、未来に進んできたことで人類の今日がある。
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 + 福島事故を踏まえて原発の安全性強化が進む中、原子力規制委員会による九州電力川内原子力発電所1、2号機への一般からの意見公募も15日に終了した。
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 + 千年に一度の大津波に福島第1原発は屈した。しかし、発電所で働く人々の事故拡大防止にかける心は健在だった。これから始まる原発再稼働に対する信頼のよりどころの基礎としたい。
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