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<衛藤首相補佐官>米政府批判の発言撤回し、動画も削除 (毎日新聞) - Yahoo!ニュース

◇菅官房長官「個人的見解は通用しない」と取り消し指示

 衛藤晟一(えとう・せいいち)首相補佐官は19日、安倍晋三首相の靖国神社参拝に対する米政府の「失望」声明を批判した自身の発言を撤回し、動画サイト「ユーチューブ」から動画を削除した。菅義偉官房長官が同日、「首相補佐官は内閣の一員であり、個人的見解は通用しない」と取り消しを指示した。首相の参拝は中国、韓国だけでなく欧米にも懸念を広げ、政府や自民党は「不戦を誓うため」と今も説明に追われている。衛藤氏の発言はこうした「努力」を無にしかねず、安倍政権のダメージは小さくない。

 菅氏は19日午前の記者会見で「政府の見解ではないと明言したい。首相の靖国参拝については謙虚に、礼儀正しく、誠意を持って説明し、理解を求めていく」と衛藤氏を突き放した。その後、首相と対応を協議し、発言を撤回させることで一致。菅氏が衛藤氏に電話で通告した。

 首相は昨年12月26日、参拝直後に発表した談話で「不戦の誓いを堅持していく決意を新たにした。中国、韓国の人々の気持ちを傷つけるつもりは全くない」と説明した。衛藤氏は今回、「中国に対していくら抑制的に努力しても、中国の膨張政策はやむことはない」との見解を示し、それが首相の参拝につながったかのように発言しており、菅氏も看過できないと判断した。政府関係者によると、この日、衛藤氏の発言を知った菅氏は「国会対応をどうするんだ」と激怒したという。

 ただ、米政府の「失望」声明に対しては、首相官邸内で当初から、衛藤氏以外にも「こっちが失望した」という不満がくすぶっており、必ずしも同氏が突出しているわけではない。菅氏から注意を受けた衛藤氏は「同盟国として(事前説明を)これだけやっているのに『失望』と言われたのだから、私としてはあまりにもがっかりだねという皮肉の一つだ」と記者団に述べ、発言内容を正当化した。そのうえで「補佐官として言うべきではないというなら、申し訳なかった」と語った。

 菅氏は19日午後の会見で、今後の日米関係への影響を問われ「取り消したので、そこはないと思っている」と否定した。しかし、閣僚の一人は「(首相の周囲に)ちょっと自由に発言する人が多い」とあきれ、政府関係者は「身内から足を引っ張るなという声が出るだろう」と不快感を示した。

 在日米大使館の報道担当官は19日、毎日新聞の取材に対し「何もコメントすることはない」と述べるにとどめた。【朝日弘行、村尾哲】


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